原発を知る

国際原子力事象評価尺度について

原発の事故の報道では、「レベル○○」とよく聞きますね。

「レベル○○」とは、国際原子力機関 (IAEA) と経済協力開発機構原子力機関 (OECD/NEA) が策定した、原子力事故・故障の評価の尺度のことで、トラブルの大きさのことでレベル0から7までの8段階に分類され、数値が大きいほど、大きなトラブルを表します。

正式には、国際原子力事象評価尺度(INES、International Nuclear Event Scale)といいます。

1990年より試験的に運用され、1992年に日本でも採用されました。

国際原子力事象評価尺度(INES)(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

INESでは、レベル4から7までを「アクシデント(事故)」、レベル1から3までを「インシデント(異常な事象)」、さらにレベル0を「デビエーション(尺度以下)」と呼んでいます。

トラブルを評価尺度の3つの基準(所外への影響、所内への影響、深層防護の劣化)でそれぞれ評価し、そのうち最高のものを当該のトラブルの評価結果としています。

日本の商業用原子力発電所では、レベル0(安全上重要ではない事象)の評価を、よりきめ細かく、
 0+(安全に影響を与え得る事象)
 0−(安全に影響を与えない事象) の2つに分類して運用しています。

国際評価尺度表

レベル 基準 事象例
基準1
所外への影響
基準2
所内への影響
基準3
深層防護の劣化
事故

7
深刻な事故

放射性物質の重大な外部放出
よう素131等価で数万テラベクレル相当以上の放射性物質の外部放出
原子炉や放射性物質障壁が壊滅、再建不能   チェルノブイリ原子力発電所事故(1986年)
福島第一原子力発電所事故(暫定、2011年)

6
大事故

放射性物質のかなりの外部放出
よう素131等価で数千から数万テラベクレル相当の放射性物質の外部放出
原子炉や放射性物質障壁に致命的な被害   ウラル核惨事(キシュテム事故)(1957年)

5
所外へのリスクを伴う事故

放射性物質の限られた外部放出
よう素131等価で数百から数千テラベクレル相当の放射性物質の外部放出
原子炉の炉心の重大な損傷   チョーク・リバー研究所原子炉爆発事故(カナダ・1952年) ウィンズケール原子炉火災事故(イギリス・1957年) スリーマイル島原子力発電所事故(アメリカ・1979年) ゴイアニア被曝事故(ブラジル・1987年)

4
所外への大きなリスクを伴わない事故

放射性物質の少量の外部放出
公衆の個人の数ミリシーベルト程度の被ばく
原子炉の炉心のかなり損傷/従業員の致死量被ばく   フォールズSL-1炉爆発事故(アメリカ・1961年) 東海村JCO臨界事故(1999年) フルーリュス放射性物質研究所ガス漏れ事故(ベルギー・2008年)等
異常な
事象

3
重大な異常事象

放射性物質の極めて少量の外部放出
公衆の個人の十分の数ミリシーベルト程度の被ばく
所内の重大な放射性物質による汚染/急性の放射線障害を生じる従業員の被ばく 深層防護の喪失 旧動燃アスファルト固化処理施設火災爆発

2
異常事象

  所内のかなりの放射性物質による汚染/法定の年間線量当量限度を超える従業員の被ばく 深層防護のかなりの劣化 美浜2号機・蒸気発生器伝熱管損傷(1991年)等

1
逸脱

    運転制限範囲からの逸脱 旧動燃「もんじゅ」リウム漏れ(1995年) 美浜3号機2次冷却水配管蒸気噴出(2004年)等
尺度以下

0
尺度以下

     0+ 安全に影響を与え得る事象 美浜3号機2次系配管破損事故(2004年)等
     0- 安全に影響を与えない事象 新潟県中越沖地震に伴う東京電力柏崎刈羽原子力発電所での一連の事故(2007年)等
評価対象外 安全に関係しない事象

※ レベル3以下については、日本国内で発生した事象のみ掲載。

科学技術・学術政策局原子力安全課の公文書 、en:International_Nuclear_Event_Scaleより引用

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