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もんじゅナトリウム漏洩火災事故

もんじゅナトリウム漏洩火災事故

(高速増殖炉もんじゅ 出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

敦賀湾にある高速増殖炉もんじゅは、MOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物)を使用し、消費した量以上の燃料を生み出すことのできる高速増殖炉の実用化のためのにつくられた原型炉です。

原型炉とは、原子炉の性能を確かめるために作られた原子炉で、実際より小さく作られています。

高速増殖炉では、冷却材として水の代わりにナトリウムを使います。

ナトリウムは金属ですが、98℃以上に熱すると液体になるのために、原子炉の中では常に液体でしたが、このナトリウムに事故が起こりました。

福井県敦賀市

もんじゅは敦賀市(緑色の部分)北西部の敦賀半島に位置している。
(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)


もんじゅナトリウム漏洩火災事故の推移

事故は、1995年12月8日、運転開始前の点検のための出力上昇の試験をしていたときに起こりました。

配管に取り付けられていた温度計が壊れ、そこからナトリウムが漏れだしたのです。

水や空気に触れると化学反応をおこすおそれのあるナトリウムでしたが、やはり、空気中の酸素と反応して燃え出しました。

  • 19時47分:火災報知器が2か所発報し、ナトリウム漏洩を知らせる警報が発報。
  • 20時00分:原子炉の停止を決定、原子炉の出力を徐々に落とし始めました。
  • 21時20分:事故発生から1.5時間後、火災警報器が34か所発報にも及んだ時点で、事態を重く見た運転員らが手動で原子炉を緊急停止。

充満した白煙と高温により、防護服を着用しても現場に立ち入ることは困難で、被害状況は全くつかめませんでした。

翌日午前2時、事故現場の状況を確認したところ、高融点の鋼鉄製の床が浸食され、ナトリウムが周囲にスプレー状に飛散していましたが、漏洩した金属ナトリウムは二次冷却系のもので、放射能漏れはありませんでした。

もんじゅの事故の問題点

もんじゅの事故は、放射能漏れはなく事故のレベルは「1」でしたが、動燃(当時)はプレス発表の際に、事故当時撮影したとされる1分少々のビデオを公開しました。

これがカット編集されたビデオであることがすぐに発覚し、マスコミ等に「情報隠蔽ありき」と受け取られ、より強い不信を煽る事となりました。

事故発生直後の現場のビデオに映し出された、おびただしい量のナトリウムが施設内に飛散した映像は、社会に大きな衝撃をあたえました。

日本で初めておきた高速増殖原型炉の事故とその後の対応に、人々は原子力発電の安全性に疑問を持つようになりました。

もんじゅのその後

もんじゅは、ナトリウム漏れの発生防止や異常拡大の防止のための改造がおこなわれました。

2007年に運転再開のための本体工事が完了し、2010年5月6日に2年後の本格運転を目指して運転を再開しましたが、2010年8月の炉内中継装置落下事故によって再び稼働ができなくなりました。

2012年に再稼働する予定でしたが、2012年8月現在まだ未定です。

ナトリウム事故

原子炉の熱を運び出し、タービンを回すための冷却剤として使われるのは通常、水(H2O、軽水ともいう)、重水 (D2O) であるが、液体金属ナトリウム (Na) が使用されることもある。しかし、液体ナトリウムは水分や空気に触れると爆発する性質を持ち、腐食性も高い。また、別の元素が混入すると硬化し冷却困難となる場合がある。

(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)