原発を知る

日本の原子力発電所や原子力施設の事故

(柏崎刈羽原子力発電所 出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

日本の原子力発電所や原子力施設の事故というと、2011年3月の東日本大震災で起きた福島第一原子力発電所の事故が記憶に新しいですが、実は、日本の原子力発電所や原子力施設では、これまでにさまざまな事故が起きています。

国際原子力事象評価尺度(INES)

日本の原子力関連施設では、放射性物質が環境中へ放出されて公衆の健康を害する恐れが生じた場合やそれ以上を「事故」と呼び、そのような状況に至らない施設内での不測の事態は「異常事象」と呼んで区別しています。


レベル 日付 事故名 事象
レベル7 2011年
3月11日
福島第一原子力発電所炉心溶融・水素爆発事故 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、東京電力福島第一原子力発電所ではすべての電源を失い、圧力容器内の水位が低下し炉心が高温になる。非常用電源も故障で緊急炉心冷却システムも作動せず、水蒸気爆発の可能性が高まった。燃料棒も一部溶解。日本初となる原子力緊急事態宣言が発令され、周辺半径20kmの住民には避難指示が出された。詳しくは福島第一原発の事故の事故をご覧下さい。
レベル41999年
9月30日
東海村JCO核燃料加工施設臨界事故 核燃料加工施設、株式会社JCOが起こした日本で3番目の臨界事故。作業員2名が死亡という、日本国内で初めて事故被曝による死亡者を出した。詳しくは、東海村JCO臨界事故をご覧下さい。
レベル3以下の事故
1973年
3月
美浜発電所燃料棒破損 美浜一号炉において発生した核燃料棒が折損する事故。関西電力はこの事故を公表せず秘匿していたが、内部告発によってあきらかとなった。
1974年
9月1日
原子力船「むつ」の放射線漏れ事故 遮蔽リングの設計ミスにより、北太平洋航行中に放射線(中性子)漏れを観測する。
1978年
11月2日
福島第一原子力発電所3号機事故 日本で最初の臨界事故とされる。しかし、公表されたのは事故発生から29年後の2007年3月22日だった。事故は、戻り弁の操作ミスで制御棒5本が抜け、午前3時から10時半までの7時間半臨界が続いたとされる。
1989年
1月1日
福島第二原子力発電所3号機事故 3号機の原子炉再循環ポンプ内部が壊れ、炉心に多量の金属片等が流出、長期にわたって発電所を停止に追い込んだ事故。レベル2。
1990年
9月9日
福島第一原子力発電所3号機事故 主蒸気隔離弁を止めるピンが壊れた結果、原子炉圧力が上昇して「中性子束高」の信号により自動停止した。レベル2。
1991年
2月9日
美浜発電所2号機事故 2号機の蒸気発生器の伝熱管1本が破断し、原子炉が自動停止、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動した事故。55トンの一次冷却水が漏洩した。レベル2。放出量0.6キュリー。
1991年
4月4日
浜岡原子力発電所3号機事故 誤信号により原子炉給水量が減少し、原子炉が自動停止した。レベル2。
1995年
12月8日
高速増殖炉もんじゅナトリウム漏洩事故 2次主冷却系の温度計の鞘が折れ、ナトリウムが漏洩し燃焼した。レベル1。詳しくはもんじゅナトリウム漏洩火災事故をご覧下さい。
1997年
3月11日
動力炉・核燃料開発事業団東海再処理施設アスファルト固化施設火災爆発事故 低レベル放射性物質をアスファルト固化する施設で火災発生、爆発。レベル3。
1998年
2月22日
福島第一原子力発電所 第4号機の定期検査中、137本の制御棒のうちの34本が50分間、全体の25分の1(1ノッチ約15cm)抜けた。
1999年
6月18日
北陸電力志賀原子力発電所1号機事故 日本で2番目の臨界事故とされる。
定期点検中に沸騰水型原子炉 (BWR) の弁操作の誤りで炉内の圧力が上昇し3本の制御棒が抜け、臨界が15分間続いた。臨界になる主な原因は、点検前にスクラム用の窒素を全ての弁で抜いてあったというミスと、マニュアルで弁操作が開閉逆だったためといわれている。所長も参加する所内幹部会議で隠蔽が決定され、運転日誌への記載も本社への報告も無かったとされるが、2007年3月公表。レベル1 - 3。
2004年
8月9日
美浜発電所3号機2次系配管破損事故 2次冷却系のタービン発電機付近の配管破損により高温高圧の水蒸気が多量に噴出。逃げ遅れた作業員5名が熱傷で死亡。レベル0+。
2007年
7月16日
新潟県中越沖地震に伴う東京電力柏崎刈羽原子力発電所での一連の事故 新潟県中越沖地震により、外部電源用の油冷式変圧器が火災を起こし、微量の放射性物質の漏洩が検出された。また、震災後の高波によって敷地内が冠水し、使用済み核燃料棒プールの冷却水が一部流失した。レベル0-
2010年
6月17日
福島第一原子力発電所2号炉緊急自動停止 水位低下事故。3号機プルサーマルのためMOX燃料を導入しようとした矢先、2号機で水位低下する事故が発生。制御板補修工事のミスがあったが、電源停止により冷却系ファンの停止を招き、緊急自動停止した。電源停止により水位が2m低下した。燃料棒露出まで40cm(単純計算で6分)であった。
2011年
3月11日
福島第二原子力発電所事故 東日本大震災による地震・津波で3本の送電系統のうち2本を喪失、津波の影響で海水ポンプとその電源が水没し原子炉の冷却機能が喪失し、一時不全状態に陥った事故。総延長9kmケーブルを使って、仮設電源につなぎ、機能を回復。冷温停止に成功した。原子力安全・保安院は2011年3月18日にINESレベル3であるとの暫定評価を下した。

日本で起きた原発事故記事一覧

もんじゅナトリウム漏洩火災事故

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東海村JCO臨界事故

株式会社ジェー・シー・オー(JCO)は、茨城県那珂郡東海村に所在する核燃料加工施設です。1999年9月30日、そのJCOの核燃料加工施設内で、核燃料を加工中に、ウラン溶液が臨界状態に達し核分裂連鎖反応が発生、この状態が約20時間持続したのが、東海村JCO臨界事故です。この事故では、至近距離で中性子線...

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福島第一原発の事故の事故

東京電力福島第一原子力発電所では、2011年3月11日に発生した東日本大震災で発生した津波のため電源が喪失し、スリーマイル島の事故と同じメルトダウン(炉心溶融)が起きました。国内外に大きな衝撃をもたらした東京電力福島第一原子力発電所の事故は、スリーマイル島の事故よりもっと深刻でした。

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